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インタビュー

【インタビュー】CANVASHIPツアーの魅力とは?代表の杉山さんに聞きました!

インタビュー_CANVASHIP

あけましておめでとうございます!

不定期にはなりますが、今年も更新していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!

 

さて、2020年最初の投稿は、デンマークのスタディーツアーを企画している「CANVASHIP」代表の杉山 旬(すぎやま しゅん)さんへのインタビュー記事です!

  • CANVASHIPってどんなツアー?
  • なんでCANVASHIPを始めたの?
  • これからの展望は?

などをご本人に聞いてみました!

それでは、どうぞ!!

CANVASHIP「第3回”対話型”スタディプログラムツアー」とは?

– 今回のツアー、「第3回”対話型”スタディプログラムツアー」の具体的な内容を教えてもらえますか?

杉山さん:このプログラムは、福祉をテーマにしたデンマークへの6日間のツアーです。

デンマークの福祉に関する施設を、6日間の中でたくさん回ります。
「森のようちえん」や高齢者介護施設、重度の身体障害者の方や知的障害者の方の施設、特別な支援を必要とする子どものための「エフタスコーレ」などなどです。

過去のツアー写真:デンマークの森のようちえん訪問過去のツアー写真:デンマークの森のようちえん訪問

 

– いろんな施設が入ってますね!

杉山さん:保育所から高齢者の施設まであるんですけど、これは生まれてから死ぬまでに関わる福祉施設を訪問することを意識して組んでいるんです。

一つひとつの施設が点ではなく、最終的に線になって、福祉は一環していることが大事ってことをみんなに気づいてもらえるような内容にしたい。そんな想いがあります。

でも、実は視察先についてはまだ完全に確定していません。

このツアーでは参加者一人ひとりに必ずヒアリングをして、ニーズを聞いてアレンジするって形にしているんです。

 

– アレンジしてもらえるのは参加者にとってすごくいいですね!でも、1人ひとりの要望に合わせるって難しくないですか・・・?

杉山さん:難しいです。(笑)

でも、僕らがやる意義ってそこにあると思っているんです。せっかく来てくれるならその人の熱量に応えたいし、少人数でやる意味ってここにあるって思ってます。ちなみにこのツアーは最大15名まで参加可能です。

 

– 少人数ならではの嬉しいメリットですね! 各施設ではどんなことをする予定ですか?

杉山さん:まずは施設内をしっかり案内してもらって、施設としてどういう取り組みをしているのか、その施設の特徴は何かっていうのを確認してもらう予定です。

また、見学だけじゃなくてスタッフさんと対話する時間を設けようと思っています。コーヒーを飲みながら施設の方々とみんなでゆっくり話をして、質疑応答などディスカッションができる機会を設けるつもりです。

高齢者施設ではおじいちゃんおばあちゃんたちと一緒にご飯を食べたりする予定です。
交流をプログラムの中で入れることで、話を聞くだけじゃなく、”体験する”というところに深く刺さっていける内容にしています。

過去のツアー写真:対話の時間過去のツアー写真:対話の時間

 

– 滞在はどこでする予定ですか?

杉山さん:ノーフュンスホイスコーレWOODAH HOSTELの2ヶ所に泊まります。前半の2泊3日をノーフュンスホイスコーレで、残りをWOODAH HOSTELで過ごす予定です。

ノーフュンスホイスコーレでは、前回のプログラムではみんなで焚き火をしながら対話をする時間をとったりしました。今回もホイスコーレかWOODAH HOSTELのどこかでHYGGEを体験する機会を作ろうかと思っています。

観光したい人もいると思うんですけど、今回のツアーはなるべくみんなで意見を交換する対話の時間や集団で過ごすことを重視しています。

 

 

– フォルケホイスコーレ(※)に滞在するんですね!ノーフュンスホイスコーレでは、滞在する以外に何か体験できることってあるんでしょうか?

※フォルケホイスコーレについては、試験も成績もない学校「フォルケホイスコーレ」はこんなところ。で詳しく解説しています。

杉山さん:ノーフュンスホイスコーレでやっている一般的な授業を受けることはできないんですけど、午後のアクティビティに参加させてもらう予定です。そこでフォルケの学生さんと交流できるようになっています。

 

– このツアーの1番の良さって、ズバリなんでしょう?

杉山さん:1番の良さは、全国から福祉に熱い人が集まってくることです。

 

– え、内容ではなく、そこでしたか!

杉山さん:内容はもちろんですが、本気の大人が集まってくる。そして、その本気の大人といっしょに学び倒す、っていう体験が重要なんですね。そこに価値があると思っているんです。

このツアーに参加するっていうことは、往復で10万円以上する飛行機代と、さらにツアーの費用っていうお金を使って来るわけじゃないですか。その壁を超えて来る人たちって、みんな本気なんですよ。

 

– このツアーはある意味、人が集まるためのきっかけみたいな意味合いも強いんですね。

杉山さん:そうですね。だから、参加者の方々の間には強いつながりできると思います。

過去のツアーに参加してくださった方のグループがあるんですけど、そこではツアーのあとも、お互いの取り組みのシェアや発表をされてるんですよ。

 

– 過去のツアーにはどんな方が参加されていたんですか?

杉山さん:保育士を目指している学生さんもいましたし、大学で教授をされている方もいました。いろんな方が参加してくださっています。

いろんなバックグラウンドの人が集まるので、最初はお互いの価値観のすり合わせにすごい困ってたんですけど、最終日には理解し合っていて。

そういう、「人との出会い」も1つ大きなポイントかなと思っています。

 

– こんな方々に来てもらいたい!という想いはありますか?

杉山さん:これから福祉業界で働こうと思っている学生さんや、今まさに福祉の現場で戦っている人たち、あとは福祉を研究しているような人たちにも来てほしいですね。

学生さんって夢を持って勉強しているわけですけど、やっぱり一流を見ることってすごく大事だと思っているんですね。トップを見るからこそ、自分の足場で何が足りないのかとか、見えてくるものがあると思うんです。

なので、学生さんたちには社会に出て行く準備期間として来てもらいたいです。

 

CANVASHIPツアーを作った理由とは

過去のツアー写真:講義風景過去のツアー写真:講義風景

– CANVASHIPのツアーが始まったきっかけって、何かあったのでしょうか?

杉山さん:CANVASHIPを始める前、僕は語学系の事業をやっている会社にいました。

そこを辞めたあと、自分で英会話スクールを立ち上げたいと思って、それで「第二言語で英語が得意な国はどこだろう?」って調べてたら、北欧っていうキーワードにたどり着いたんですよ。

そんな話を友人にしてたら、「北欧に大人の学校があるの知ってるか?」って言われて。そこでフォルケホイスコーレという存在を知りました。

フォルケホイスコーレって、人生と向き合ったり、一度立ち止まって考えるとか、そういう魅力から入っていくことが多いんですけど、僕は英語教育みたいなところから入っていったんです。

 

– そうだったんですね。杉山さん自身、フォルケホイスコーレに実際に行かれたんですか?

杉山さん:行きました。今回のツアーで滞在するノーフュンスホイスコーレに行ったんです。

ノーフュンスホイスコーレに通いながらいろんな施設に訪問させてもらったんですが、2日目まではまだ英語教育のことが頭にあったんですよ。

でも、過ごしていくうちに、デンマークの民主主義的な考え方やその基盤の上にある教育や社会が見えてきて。そして、その思想が職場の中で生きてるその姿や、多方面に渡って社会そのものが民主主義の土台の上に成り立ってるってことを現地で実感したんです。

そうしたら、英語教育っていうのがポンって頭から抜けて。「デンマークすごいじゃん!」「教育ってすごいじゃん!」ってなって。語学っていう枝葉じゃなくて、人間教育みたいなところにどんどん惹かれていったんです。

 

– わかります!僕も現地で、日本との違いに驚きました。

杉山さん:その基盤って何なんですかってなったときに、フォルケホイスコーレっていうのがあって、それを立ち上げたグルントヴィがいて、グルントヴィがデンマークに民主主義的な価値観を根付かせたんだよっていうことを知ったときに、「フォルケってめちゃくちゃすごいじゃん!」って思って。(笑)そこからフォルケへの熱が高まりました。

 

– 特に印象的だった体験はありますか?

杉山さん:僕の中の多様性って、いろんな人種の人たちが同じ空間の中にいて、共通の言語である英語を使うけれども母国語も飛び交っている、みたいな感じでした。年齢も職業も全然違うっていう空間が多様性だって、僕の中で常識としてあったんですね。

でも、ノーフュンスホイスコーレで本当の多様性を知りました。

ノーフュンスには福祉コースがあるんです。そこには、身体や精神に障害を持っている人がいて。フォルケホイスコーレは全寮制なので、そういった人たちと一緒生活したわけなんです。

最初は、松葉杖や車椅子で生活している人たちにすごく気を遣ったんですけど、彼らはそんなこと求めてないんですよね。助けが欲しいときには言ってくるけど、欲しくない時は言ってこない。

日本人だと、そういった人たちに優しくしないといけないという善意を持って働きかけるじゃないですか。でも、デンマーク的に考えると、みんな人として平等で、変な善意こそが上から見るっていう考え方だってことになる。そういったことを肌身で感じちゃって。

変に優しくしなくていいって言い方は変ですけど、変に情けをかけることはしてはいけない。同じ人として接するべきなんだっていうのが大前提にあって。彼らが求めているときにだけ提供するっていうことが本当の優しさなんだなってことに気づいたんです。

多様性って、僕の中ではグローバルな軸しかなかったんですけど、人間としての縦軸も入ったきたわけなんです。

これって全寮制じゃないとわからないものじゃないですか。ただ施設で会って、話すだけじゃなく、同じ屋根の下で暮らすってなったから知ったわけで。

まさにフォルケに来ないとわからなかったことだろうなってすごく思いますし、すごく刺激を受けましたね。

 

CANVASHIPと杉山さんのこれから

過去のツアー写真:デンマークの夕焼け過去のツアー写真:デンマークの夕焼け

– このツアーはこれからも定期的に開催していく予定ですか?

杉山さん:開催します!

去年は2回開催したんですけど、今年は3回やる予定です。

 

– テーマは福祉ですか?

杉山さん:「福祉」に限らず、理想は色々なテーマでより北欧について学べる、体験できる企画を増やしていきたいです。例えば、環境やデザインなど。SDGsの取り組みなどに焦点を当てていけたらと思っています。

どんなテーマになっても、「学ぶことの楽しさ」や自己成長によって感じる「自分の可能性と将来へのワクワク」を届けて、たくさんの人の成長に寄り添える取り組みにしたいです。

 

– このツアー以外にも、何か今後の展望はありますか?

杉山さん:実は、最終的には北海道にフォルケホイスコーレを作りたいっていう想いがあります。

 

– お!日本にフォルケホイスコーレですね!でも、なんで北海道にフォルケを作るところに行き着いたんですか?

杉山さん:まず、フォルケホイスコーレが日本にあればいいなって思ったんです。

北海道に作りたい理由は、自分が北海道で生まれ育って愛着があるのと、デンマークに初めて行ったときに、北欧と北海道が似てるって思ったんです。

 

– フォルケの良さの一つとして、海外の人と触れ合えるっていう部分があると思います。もし北海道でフォルケを作る場合、その辺りはどうお考えですか?

杉山さん:海外の方も呼びたいと思っています。

やっぱり多様性ってフォルケの魅力だと思うんですよ。いろんな人が集まって生活するのは、グルントヴィが大事にしていることの一つですしね。

あと、言葉が伝わらない者同士で暮らす環境があると、自分にとっての不自由を必ず感じますよね。それが自分を変えていくきっかけになると思っています。あえて日本人に過酷な環境を提供する。そもそも日本人だけではフォルケを再現できないと思っています。

 

– 北海道でするとしたら、今企画されているツアーの延長で、福祉や教育に焦点を当てた学校になるのでしょうか?

杉山さん:延長になるかどうか、というイメージは沸いていません。

ですが、フォルケホイスコーレという成人学校が大事にしている考え方や哲学、機能はしっかり日本でも再現したいです。

北海道でやるのであれば、豊かな自然と人との関わりから自分自身を再構成できて、次のステップアップへの活力を得たり視野を広げる体験ができる場を作りたいです。

 

– 北海道ならではの体験ですね。具体的な体験は考えていますか?

杉山さん:まだ明確にお伝えできませんが、海外にいるかのような環境で大人が本気で遊んで、学んで、生きる!みたいな内容にしようと思ってます。ここからはまだ秘密です!笑

 

– いつ作る予定ですか?

杉山さん:2021年の春あたりを考えています。

最初は短いコース、例えば週末のフォルケホイスコーレみたいなプログラムから初めて少しずつ大きくしていきたいなって思っています。

 

– かなり近い将来ですね!

杉山さん:ですね。どんな形になるかわからないですけど、とにかくやります!(笑)

 

デンマークの福祉を学びたいならCANVASHIPへ!

というわけで、今年一発目の投稿は、CANVASHIP代表の杉山さんへのインタビュー記事をお届けしました。

「生まれてから死ぬまでに関わる福祉施設を一度に見れるツアー」なんて今まで聞いたことがなかったので、目から鱗でした。

「福祉先進国」と言われるデンマークの各施設を訪問できるめちゃくちゃ濃い内容になっているので、ご興味ある方はぜひチェックしてしてみてくださいね!

【CANVASHIP】

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