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ポルトガル

コインランドリーでポルトガルの優しさに触れる。

コインランドリーでポルトガルの優しさに触れる。

洗濯機はあるけど、洗濯ができない宿。

いま泊まっている宿に、少し不満があります。

1つは、めちゃくちゃ寒いこと

ポルトは寒暖差が激しく、日中は暖かいものの、朝晩はかなり冷え込みます。

そんな中、この宿には暖房がない。

暖房がないどころか、おそらく断熱性能が低くて、室内はもはや風が吹かないだけで外とほぼ変わらないぐらいまで気温が下がるのです。

そして、もう一つの不満が、今回のお話につながる洗濯機です。

この宿のリスティング情報には、

「洗濯機、あります。」

と書いてありました。

いざチェックインしてみると、確かに洗濯機はある。

しかし、使おうと思ったら1回ごとに5ユーロ(620円ぐらい)払わないといけないとのこと。

しかも、「洗濯物干しがないんだ」と言う。

それ、実質洗濯するの無理じゃない?

確かに洗濯機は「ある」けど、泊まる人はそこに洗濯機が「ある」ことが大事なんじゃなくて、洗濯機で洗濯して乾かし、服を綺麗にできることを求めているわけです。

なんかちょっとな〜、と思った次第です。

宿の近くのコインランドリーへ

まぁでも、不満を言ったところでどうしようもないし、すぐに気持ちを切り替えました。

というわけで、昨日、近くのコインランドリーへ行くことに。

宿から徒歩5分ぐらいにあるコインランドリーで、僕の泊まっている宿と同じ値段で、洗濯だけでなく乾燥もできる。

そりゃもう文句ないです。

中に入ると、すでに先客が。

昨日は雨が降っていたこともあって、きっと皆さんコインランドリーを求めていらっしゃったんでしょう。

言葉を聞いている限り、どうやら地元の人たちっぽい。

その方達の前に並ぶ洗濯機を見ると、全て使用中。

でも、表示を見るとすぐに終わりそうな洗濯機が数台あったので、少し待つことにしました。

待つこと10分、1台の洗濯が完了し、僕の番が回ってきました。

洗濯機の説明欄は、ポルトガル語だけでなく、英語でも書かれていたので、僕でも特に問題なく使えそう。

というわけで、何も気にせず洗濯物を放り込み、洗濯の準備を始めました。

予想外のアドバイス

洗濯機に服を放り込み出した僕なのですが、後ろから何やらポルトガル語が聞こえてきました

最初は地元の方たちが会話しているのだと思っていたのですが、振り返ってみると、僕に話しかけてくれていたのでした。

僕の顔に、

「?」が5つぐらい漂っているのを察知したその方は、途中で英語に切り替えて話してくれました。

そこでようやく理解。

彼女は、

「洗濯物は畳んだ状態じゃなくて、1つ1つ広げたらよく洗えるよ」

とアドバイスしてくれていたのです。

そう、少し面倒くさがりなところがある僕は、服を畳んだまま洗濯機に入れるクセがあり、今回もそうしてしまっていたのでした。

しかし、わざわざそんなことを指摘してくれるとは、なんて親切な人なんだろう。

その方は、とても気さくな方で、明るい表情で丁寧に話してくれ、すごく安心もありました。

地元の方の優しさが止まらない

服を広げるアドバイスをもらえたその時点で、僕はなんだかホッコリした気分に。

しかし、その方の優しさは、それだけに止まりませんでした。

そのあと続けて、コインランドリーの使い方を教えてくれたのです。

さっきも言った通り、英語で書かれているので自分でもできると思っていたのですが、たぶん初めてで使い方がわからなくて困るだろうと気遣ってくれた彼女は、一つずつ操作をレクチャーしてくれました。

さらにそのあと、料金の話に。

聞くところによると、どうやらこのコインランドリーには会員カードなるものがあり、それを使うと少し割引されるらしいのです。

もちろん僕は会員カードなんて持っていません。

すると、こちらが何も言わずとも、

「私のカードで洗濯したら安くできるし、そうしよ!」

と、なんと彼女のカードを使わせてくれたのです。

なんて優しい暖かい人なんだろう。

その方のご厚意で、少し安くなった分のお金を投入し、無事に洗濯がスタート。

さらにスタートしたあと、話は乾燥機のことに。

あ、洗濯機と乾燥機が別々に分かれているタイプの機械だったんです。

お金は、それぞれの機械を回すたびに払う必要がありました。

なので、洗濯を終えたあと、乾燥機を使うときに再度お金を投入しなければいけません。

スタートしたばかりの洗濯は30分ほどかかります。

その彼女はもう洗濯を終えていたので、このあとすぐに帰ると行った様子でした。

つまり、乾燥機を回すときには彼女の会員カードを使えず、普通の値段で乾燥をしないといけないということです。

もちろん、僕は何の問題もありません。

洗濯だけでも安くさせてもらえ、もう感謝です。

でも、彼女の優しさは、止めどなく溢れ出続けていました。

なんと、近くにいた別のお客さん(おばあさん)に声をかけ、

「この人が乾燥機を使うときに、会員カードを貸してあげてくれない?」

と、わざわざ頼んでくれたのです。

もう、感謝の気持ちでいっぱいでいっぱいで。

そこまで僕のことを思って行動してくれたその気持ちが、本当に嬉しくて、めちゃくちゃ感動しました。

さらに続く優しさの連鎖

さらに、僕の感動はまだ終わりません。

彼女がコインランドリーを後にしたあと、洗濯を終えた僕の様子を見て、おばあさんは会員カードを使わせてくれました。

そのおばあさん、実は英語が話せないんです。

でも、身振り手振りを使って、必死に伝えようとしてくれるのです。

なんとかしようというそのお気持ちが、有難い。

おかげさまで、そのあと無事に乾燥も終え、フカフカになった服と共に、服以上にフカフカになった心で宿に戻ったのでした。

海外で学んだ「気持ち」の大切さ

僕は今回のような体験を、海外に来てから何度も経験しました。

その度に、本当にその優しさに感動して、心に染み渡り、感謝の気持ちで溢れかえります。

海外では、やはり自分は外人で、言葉もわからなければ勝手もわからないという状況に多々置かれます。

そんな中だからでしょうか、人の優しさに余計に感動するようになりました。

今回のように、皆さん心から助けようとしてくれる気持ちがあって、それがとても伝わってきます。

言葉が通じなくても、やはりわかるものです。

海外に来て一番よかったと思うのは、こうやってコミュニケーションを取る道具「言葉」がない状況だからこそ、「気持ちこそがもっとも大切」ということに気づけたことなのかもしれません。

そんなことを思った、昨日のコインランドリーなのでした。

僕も日本に帰ったら、外国人の方を積極的にサポートして、恩返ししようと思います。

 

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