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エストニア

タリンのトラム、怖い。

夕日と共に、タリンのトラム。

トラムにやられました。

いえ、僕が勝手にやられただけかもしれません。

迷子になりかけました。

いえ、あれはちゃんとした迷子です。

意気揚々とやって来たタリン初日で起こったトラム事件について書きますね。

始まりはよかったんだ。

最初はよかったんです、トラム。

だってこんな素敵な写真が撮れたんやもん。

夕日と共に、タリンのトラム。夕日と共に、タリンのトラム。

空港から繋がってる駅に行って待ってたら、このトラムがやってきたんです。

夕日に照らされたトラム(夕日と言っても、この時すでに21時半)。

一段と輝いて見えましたよ。

で、乗るわけです。

乗るのも特に問題なかったですよ。初めてやったけど。

事前に買って置いたQRチケットを機械にピッとやったら、ちゃんと機械が「ピッ」って言ってくれたもん。

あ、QRチケットの買い方とかはまた別の記事でまとめますね。

そんなこんなでトラムに乗り込み、数分後、僕を乗せたトラムが街の中へ走り出しました。

派手さはないけど、素敵な佇まいの建物が並ぶ街。

そんな景色をながめながら、

僕
快適だ。

日本語でそうつぶやきましたよ。

だって、こんな順調やったんやから。

だって、このあとに起こることなんか知らんかったんやから。

そんなこんなで超いいスタートを切ったわけです。

問題はここからだ。

さて、問題はここからだ。

街をスースー気持ちよく走っていたトラムと、冷や汗でスースーし出した僕の物語は、ここからだ。

ディスプレイの更新が途中で止まってた

僕はトラムの中にあるディスプレイを見て、自分の降りるべき駅を確認しながら座ってました。

そのディスプレイには、今このトラムがどこにいて、これ以降にある駅までそれぞれ何分で到着するかが表示されていたのです。

トラム内のディスプレイ。わかりやすいよ。トラム内のディスプレイ。わかりやすいよ。

わかりやすく表現されてたので、

「お、これはいい!」と、このディスプレイに頼り切ることに。

ちなみに僕が降りる予定だった駅は、トラムが走る全コースの真ん中ぐらいに位置してました。

見ると、僕が降りるべき所まであと5駅ほどあったので、「あとちょっとあるなー」なんて思いながら、目線を街中へ向け直しました。

2、3分経ったあと、もう一度ディスプレイに目をやると、先ほど見た状態から変わっていない。

さっき示していた「次の駅」にもまだ到着していないように表示されていたのです。

「次の駅」までは、「あと1分」と出ていたのに、2、3分後に見ても、「あと1分」になってるんです。

「あれ、遅れてるんかな?」なんて思いながら、「まあこのディスプレイに従ってたら大丈夫やろ」と思い、あまり深く考えずにまた街観察を楽しみ出しました。

でも気になって、ちょこちょこディスプレイを確認。

でも、やっぱり「あと1分」のまま。

んー、なんだろうか。

でも、さすがにこの表示が間違うことはなさそうやし、信じよう。

なんて思ってたら、なんと終点に着いちゃったんです。

え。

いや、マジで?

ディスプレイを見ると、やっぱりまだ「あと1分」のまま。

やられた。

どうやら途中で更新が止まってたようです。

いや、気付けよ自分。

疑えよ、自分。

時刻表、あってるこれ?

泊まる予定の宿主には「22時には到着するよ」なんてサラッと伝えていたのに、僕はザラザラした気持ちで22時を全く知らない謎の終点で過ごしていました。

やばめ。

トラムの女性運転手さんに、

僕
ここに行きたいんやけど、どうしたらいい?

って聞いたら、

女性運転手さん
女性運転手さん
3番のトラムに乗りなさぁーい

とのこと。

「乗りなさぁーい」って言うときに、女性運転手さんは東の方を指さしてたんで、すぐ近くに駅があるんやろなと思い、とりあえず歩いてみることに。

でも、なかなか見つからない。

「ホンマにあるんか?あの指はあってたんか?」

と、やっとここで疑うことを覚えた僕。

でも、少し歩いていると、駅は無事現れました。

疑うべきなのか、信じるべきなのか、難しいところだな。

とにかく駅に着いたわけです。

「これで帰れる!」と胸を撫で下ろしながら時刻表を見る。

すると、衝撃の事実が。

22時以降のトラム、ない!

3番のトラムは22時以降走ってない?3番のトラムは22時以降走ってない?

いやいやいやいや。

やめて。

もう、これ以上、やめて。

なんでないんや。

走ってよ、トラム。

もう絶望です。

知らない国の知らない場所で、知りたくもない事実を知らされる。

でも、僕はなんとかして宿に行かないと、野宿になる。

それは、やばい。

ちょっと人に聞いてみよう!

ということで、少し歩いたところにいたスモーキーなおじさん(タバコを吸っていただけ)に声をかける。

僕
ここに行きたいんですけど、どうすればいいですか?
スモーキーおじさん
スモーキーおじさん
3番のトラムに乗りなさぁーい

ないんや!3番のトラム、もうないんや!

そのことをスモーキーさんに伝えると、

スモーキーおじさん
スモーキーおじさん
23時まではあるはずだよぉ

とのこと。

え?ホンマに?

でも書いてなかったよ?

と思い駅の方向を振り返ると、なんとトラムが走り去っていく姿が!!

なんでや!!

待ってくれ!!

走ってたんかい!!

おちょくってるんか!!

しかし、無情にもトラムはその後ろ姿を小さくしていく。

はぁ。

でも、時計を見ると、まだ22時半。

スモーキーおじさん
スモーキーおじさん
まだあるはずだよぉ

とスモさんが言うので、5回ぐらい「Thank you so much!」を言って、駅に戻ることに

駅に着いてもう一回時刻表を見たけど、やっぱり22時以降は何も書いてない。

怖いこわいコワイ・・・

と、ドキドキしながら待ってたら、10分後に無事やってきました。

それに食い気味で乗り込んで、なんとか宿に行けたのでした。

トラム怖かったよ。

それが僕のエストニアの首都タリンで経験した初めてのトラムでした。

結論としては、自分が悪いですね。

以上です。