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デンマークについて知る

【デンマーク】税金の高さは世界トップ。国民が喜んで払う理由とは?

Photo by Allef Vinicius on Unsplash

デンマークは税金が高いことで有名ですが、ご存知でしょうか?

僕は実際にデンマークで暮らしてみて、その税率の高さを目の当たりにしました。

今日はそんなデンマークの税金について書いていきます。

いくつか代表的な税金をピックアップしてご紹介しますね。

デンマークの税金

ここでは、デンマークの代表的な税金を4つご紹介します。

  • 消費税
  • 所得税
  • 自動車税
  • 労働市場税

それでは順番に見ていきましょう!

消費税

まずは消費税から。

デンマークには、日本の消費税に当たる付加価値税(MOMS)というものがあります。

デンマークのMOMSは、驚きの25%。めちゃくちゃ高いです。

1万円の物を買うと、日本の今の消費税なら11,000円ですが、デンマークだと12,500円になっちゃうということですね。

 

所得税

稼いだお金に対してかかる所得税はどうでしょうか。

デンマークの所得税には、下のようにいくつか種類があります。

  • 国税(State tax)
  • 市町村税(Municipal tax)
  • 健康保険(Health contributions)
  • 教会税(Church tax)

これらを合算したものが所得税全体の金額になるんですが、上限が52.05%までと決まっています。一番高い所得税が52.05%ということですね。

さて、上の4つを少しご紹介します。

 

国税(State tax)

国税(State tax)には、2つの種類があります。

  • Bottom-bracket tax
  • Top-bracket tax

「Bottom-bracket tax」は、所得が46,200DKKを超えたときにかかる税金。税率は12.13%

「Top-bracket tax」は、所得が513,400DKKを超えた場合、その超えた部分にかかる税金。税率は15%です。

この金額と税率は、ともに2019年のものです。

 

市町村税(Municipal tax)

市町村税(Municipal tax)はその名の通り、住んでいる自治体に支払う税金ですね。

税率は場所ごとに決まっていて、22〜28%ほどかかります。

ちなみにコペンハーゲンは23.8%(2019年)です。

 

健康保険(Health contributions)

健康保険は、定められた課税所得金額を超えた場合に支払う必要があります。

しかし、2019年は廃止されているようです。

 

教会税

日本には馴染みがありませんが、デンマークには教会税というものが存在します!

教会の運営や維持・修復のために使われる税金なんです。

課税対象者は、デンマーク国教会(Danish National Evangelical Lutheran Church)のメンバー。デンマーク国民の約80%に当たる人がこの教会のメンバーなので、大半の人が支払っていることになります。

税率は住んでいる場所によって異なります。首都コペンハーゲンは0.8%です。

 

自動車税

デンマークの自動車税は150%

自動車本体よりも高い金額を税金として払う必要があることになります・・・。

でも、この150%というのも、実は最近引き下げられて、150%になったんです。

ついこの間までは、なんと180%

びっくりですね。

そうなると、車を買うときにかなりお金がかかりそうですが、その高い税金に合わせて自動車本体は安く売っているそう。

デンマーク大使館のFBに、下のようなことが書かれていました。

例えば、販売台数2位のプジョー208の5ドアは最も安いモデルで日本での販売価格は199万円ですが、デンマークでは13万クローネで約225万円(税込み)。それほど差がありません。日本への輸入は輸送費がかかることを考慮しても、デンマークでは高い税金にかかわらず価格が抑えられていると言えます。(Facebook デンマーク大使館 – 投稿より引用)

なので、税金から感じるほどのインパクトは価格に反映されていないようです。

 

労働市場税

デンマークには、労働市場税(Labour market contributions)というものがあります

働く人全員に課せられる税金で、集められたお金は失業手当や職業訓練などの財源に当てられます。

税率は8%です。

この税金は、所得税を計算する前の所得から取られるようになってます。

税率が高い分、いろんなものが無料に

そんな税率がとても高い国デンマークですが、その分、いろんなものが無料になっています。

なんと、医療費はタダですし、教育費も大学まで無料なんです。だからデンマーク国民は納得して税金を納めているんですね。

 

あと、政治に対する信頼感も日本とは違うようです。

地方議員なんかは、みんな普段自分の仕事を持っていて、議員活動はボランティアお金のためではなく、国・国民のために取り組んでいることがうかがえます。

日本では頻繁に政治家の悪いニュースが出てきて、正直そこまでの信頼感はないと感じます・・・。

が、デンマークはそんな形で国民からの信頼が厚い状況になっているんですよね。

高い税率は信頼関係で成り立っている

今回はデンマークの税金をご紹介しました。

高い税率の裏には、きちんとした信頼関係が基盤としてあるんですね。

デンマークと全く一緒にすることは難しいかと思いますが、日本はこういう国から学べることが多いような気がします。

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