気づいたらデンマーク5日目です。
こんにちは。
いやー、悲しいことが起こりました。
タイトルのとおり、詐欺に遭ったんです・・・。
事件が発生したのは、コペンハーゲン中央駅。
首都コパンハーゲンにある、デンマークで一番大きな駅ですね。
その日はデンマークに到着した初日で、朝から世界遺産のStevns Klintを見に行っていました。
Stevns Klintは、コペンハーゲンがあるシェラン島の南東にあります。
(Stevns Klintについてはまた別の日に詳しく書こうと思います。)
Stevns Klintを出て、14時前にコペンハーゲン中央駅へ戻りました。
で、そこからいくつか観光地を巡る予定にしていたので、急ぎ足で駅を出ようとしたんです。
そしたら、男の人が前から歩いてきて、僕に急に話しかけてきました。
第一声はそれでした。
僕が「少し話せるよ」と答えると、彼はなんと泣き出したんです。
(ど、どうしたんやろ・・・?)
と心の中で思いながら、彼の話を聞くことに。
すると、彼はこんな話をし出しました。
そこには大金とクレジットカードが入っていて。
実は今すぐ空港に向かってイタリアへ帰らないといけないんだけど、財布がないからどうしようもなくて。
妻と3人の子供が空港で待っていて、すぐに行かないといけない。
でも、お金もクレジットカードもないから空港にすら行くことができない。
助けを求めても、誰も助けてくれなくて、もうどうしたらいいかわからない・・・
イタリアまでの飛行機代がこれだけ必要なんです。
帰国したら必ず返すから、どうか貸してもらえないですか?
これを泣きながら話してきたんです。
僕には、本当に困っているように見えました。
この人は助けてあげないと。
そんな気持ちになっていたんです。
その人は見た目もきちんとしていて、正直怪しい雰囲気はまるでなくて。
という話になって連絡先の交換も事前にしたし、彼は、
と、なんだか良さげなカメラを僕に預けてきたんです。
そんなこともあって、僕は彼の話をそのまま信用してしまいました。
現金がいるということやったんですけど、僕はデンマークではほとんど現金を使わないんで、その時もお金を持ってなくて。
で、ATMでお金をおろしました。
そして、彼に手渡してしまいました。
お金を受け取った彼は、
と、また泣きながら同じようなことを3回ぐらい言って、走って駅のホームへと向かって行きました。
1人残された僕は、
「彼が無事に家族と一緒にイタリアへ帰れることを祈ろう」
と、その直後はそんなことを考えていました。
でも、時間が経つにつれて、
「あれ、お金渡してもたけど、大丈夫なんかな・・・?」
と、ちょっとずつ不安になっていきました。
そして、彼から渡されたカメラを改めて見てみることに。
すると、中にバッテリーが入っていないことに気がついたんです。
とか言ってたんですけど、旅行に来てるのにカメラにバッテリー入ってないのはどう考えてもおかしい・・・。
そして、きっと自分は騙されたんだ、ということに気づいたんです。
結局、5日経った今も連絡が来てないですから、もう明らかにこれは詐欺決定です。
いやー、今となっては、なんで詐欺ってわからへんかったんやろって感じです。
自分が信じられない。
でも、1年も住んでいたデンマークやし、その間一度も危ない目に遭ったことがなかったし、きっと警戒心が薄れていたんだと思います。
他の国に旅行へ行ったら、もっと気を張ってましたもん、やっぱり。
あと、デンマークでは本当にいろんな人に助けてもらった経験があったから、困っている人がいたら自分もできる範囲で助けたい、という思いを持っていました。
今も持っていますが。
デンマークで過ごした経験があったからこそ、今回のことが起こってしまったんだろうなと感じています。
お金はもう戻ってこないし、諦めるしかないんですけどね。
でも、なんか、すっごいモヤモヤする。
「助けたい」と思って、本当に思って、良かれと思ってやったのに。
そんな人の気持ちを踏みにじるなんて。
ただただ悲しい。
気づかへんうちにスリに財布盗られてた、とかより、なんかもっとグッと精神的にきてます。
こんなことは、世の中からなくなればいいのに。
ホントに思います。
デンマークは治安がいいことで有名です。
前に書いた下の記事でも紹介しているとおり、ある報告によると、デンマークの治安の良さは日本よりも上で、世界5位にランクづけされてるぐらいです。
そんな国でも、こういうことはあるみたいです。
というか、ありました。
あ、こんな目に遭っても、僕は「デンマーク嫌い!」とか全く思っていません。
当然ですが。
いい人が本当に多いのは事実やし、そもそも今回の相手はおそらくデンマーク人ではなかったし。
でも、もうこんな思いはしたくないな。
そんなことを思っているデンマーク5日目の夜なのでした。