毎度お馴染み、デンマーク語めっちゃ入門のコーナーです。
前回の【デンマーク語めっちゃ入門】第4回 人称代名詞について、いかがでしたでしょうか?
三人称のあたりがややこしくなかったですか?
今回は、人称代名詞の次ということで、指示代名詞をご紹介したいと思います。
指示代名詞というのは、英語でいうところの、「it」とか「they」のことですね。
スワヒリ語でいうところの、「ni」です。
そう、あの「ni」です。
ネパール語でいえば、「यो」に当たるやつです。
懐かしいですね、यो。
正直読み方もわかりません。
というわけで、デンマーク語の指示代名詞、いってみましょう!
デンマーク語の指示代名詞
「それ」「それら」
デンマーク語の「それ(単数) / それら(複数)」に当たる言葉はこちらです。
- それ(単数) :den / det
- それら(複数):de
人称代名詞は人を表すときに使うのに対して、指示代名詞は物や動物に対して使います。
ところで、「それ(単数)」に二つの単語が並んでいますね。
気になりますよね?
これについて説明するときに登場するのが、en名詞とet名詞です。
【デンマーク語めっちゃ入門】第3回 名詞の種類についてに書いた通り、デンマーク語には、en名詞とet名詞というものが存在します。
en名詞とet名詞について詳しく知りたい方は、下の記事を読んでくださいね。
指示代名詞は、対象の名詞がen名詞なのかet名詞なのかによって形を変えます。
- en名詞の場合:den
- et名詞の場合:det
具体例で説明します。
まずはen名詞の「kat(猫)」を使った下の文を見てみましょう。
Hvor er katten?(猫はどこ?)
Den ligger under stolen.(それは石の下にいるよ。)
2つ目の文章の主語が「Den」になっていますね。
これは、en名詞である猫を指した主語なので、「Den」となります。
ちなみに猫好きの僕は、猫を「それ」ということに抵抗がありますが、今回はわかりやすく「それ」にさせてもらいました。
ごめんな、猫。
気を取り直して、次はet名詞である「ur(時計)」を使った例文です。
Hvor er mit ur?(僕の時計はどこ?)
Det ligger på vindueskarmen.(それは窓のところにあるよ。)
さっきは「Den」だった主語が、「Det」になっていますよね。
これは、時計がet名詞だからdetなんです。
これがdenとdetの使い分け方になります。
ちなみに、対象が複数の場合は、en名詞かet名詞かに関わらず、常に「de」になります。
猫がいっぱいいても、時計がいっぱいあっても、主語はdeになるということです。
「これ」「あれ」
何かを指差しながら、「これ」とか「あれ」とか言うときありますよね?
英語だと、「This one」とか「That one」っていう言い方になると思います。
デンマーク語では、下のような単語を使います。
- これ:her
- あれ:der
herとderは、上で出てきた、den – det – deとセットにして使われます。
またまた例文で見てみましょう。
ちょっと離れたところから、「その本を取ってくれへん?」と聞かれたけど、自分の手元にある本なのか、テーブルの端っこに置いてある本のことなのかわからず、相手に確認したいとき、次のような言い方になります。
Den her eller den der?(これのこと?それとも、あれのこと?)
「den her」が「これ?」で、
「den der」が「あれ?」という意味です。
ちなみに、この例文では、「den」をherとderと組み合わせていますが、これは本(bog)という単語がen名詞だからです。
対象がet名詞ならば、「det」に。
例えば、本ではなくて、時計を取ってほしいと言われて、どの時計か確認するときは、
Det her eller det der?
です。
複数なら、「de」になります。
本がいくつかあって、「その本たちを取ってくれへん?」と言われたら、
De her eller de der?
になるということです。
この「これ」「あれ」という表現は会話でよく使いますので、覚えておいてくださいね。
書くときだけ使う、denne – dette – disse
デンマーク語の文章を読んでいると、denne、dette、disseという言葉をたまに見ます。
この3つも「これ」という意味なんですが、これらは話すときには使わず、書き物(文章)にだけ登場する単語なんです。
お察しの方もいるかもしれませんが、denne、dette、disseも、対象の名詞の種類によって使い分ける必要があります。
- 対象がen名詞:denne
- 対象がet名詞:dette
- 対象が複数:disse
Denne er min.(車を見ながら)これは私のです。
Dette er mit.(時計を見ながら)これは私のです。
Disse er mine.(3つの車を見ながら)これらは私のです。
こんな感じです。
ちなみに、「それ」「それら」のところでご紹介した、den / det / deは、話すときにも使えるし、書き物でも使えます。
まとめ
今回は指示代名詞をご紹介しました。
ネパール語の「यो」よりはまだわかりやすかったでしょうか?
en名詞やet名詞が絡んでくるのでややこしいですが、正直ちょっと間違ってもデンマーク人は受け止めてくれます。
なので、最初はそんなに神経質になる必要もないです。
でも、正しいデンマーク語の形は今回ご紹介したようなルールがあるので、頭に入れておいて頂ければと思います。